ALBUM
アルバム収録曲は、特に注釈がない限りは、全てWAJINによる作詞・作曲・編曲作品です。歌モノのハモリや楽器の生演奏のアレンジに関しては、個々のシンガーさんやプレイヤーさんにお任せしております。
2000年製作の「和人」以外は、現在も販売中です。
お買い求めいただける場合は、s_mkwajin@nifty.comまでメールにてお名前、ご希望のアルバムタイトル、ご住所等お知らせ願います。
2000年製作
「和人 -WAJIN-」 CD-R
収録曲:クルラの兵隊 / 欠けた石畳 / にわとり - 鶏飼いの唄 - / 化石の回顧録
個人製作のインストミニアルバム。vol.1と記載されているものの、シリーズ化しなかった。
いわゆるシンセ打ち込みモノ。一部、加工した生唄、生声有り。
2003年製作
「私の風は自由に謳う」 CD SP-01 2000円
収録曲 : Sound of Mind1 / 人生の歌 / とんび / 車輪の上で / 月夜の物語 / Emerald Forest / Sound of Mind2 / すももの樹 / 上昇気流 / さくら色の風が吹く
Sigil Projectとしての1st.アルバムにして代表作。歌モノとインストが混在しつつ、独特な世界観が広がる。
浦千鶴子さん(vocal)、ぴあぴさん(vocal)、井上丹さん(guitar)、島秀行さん(bass)、谷口朝美さん(vocal)といったベテランプロ勢に参加していただいた充実の一枚。
「ミュージック•マガジン」2003年7月号に、行川和彦氏によるレビュー掲載。
収録曲「月夜の物語」が「日経WOMAN WEBマガジン」にて紹介される。
2006年製作
「静かなる太陽の下で」CD SP-02 1680円
収録曲:5月の風は自由に謳う / 静かなる太陽の下で / 丘の上にて(inst.ver.より) / 酔いやよいよ / 丘の上にて / 眠れる蒼き船に乗り
Sigil Projectとしての2nd.アルバム。本作も1st.同様、歌モノとインストの混在。プログレ色の強い楽曲、民族的な色彩感のある楽曲、どこかノスタルジックな楽曲など。
1st.同様、浦千鶴子さん(vocal)、谷口朝美さん(vocal)、夏秋文彦さん(melodion)、小田島伸樹さん(guitar)、島秀行さん(bass)、松田”GORI”広士さん(Drums)という素晴らしいメンバーによる歌唱と演奏有り。
※Sigil Project名義の2枚のアルバムは、いずれもジャケット•盤面デザインは冴沢鐘己さんによるもの。
2014年製作
「こどもたいむ CD-R 500円(送料別)
収録曲 : さくらころころ / こどもたいむ / 蓮の花と蓮根 / 帰らなくちゃ / 捨て猫 / もっちり / ライオンの恋 / もぐらのゲンさん / 栗の実ひとつ / 星いろいろ / じゃがいもたまねぎにんじん / からっぽの焦燥 / 寝てられないっしょ! / カレーライス
全曲、Sigil*WAJIN(M.K.WAJIN)のプログラミング、演奏、歌唱による歌モノアルバム。
WAJINの歌唱でこそ表現しうると思われる”純WAJINワールド”の結集。童謡を聴くように童心に帰って楽しんでいただきたいPOPミュージックの数々。
※YouTube Musicで全曲試聴可能です。
2018年製作
「アキカゼヒマワリカラスウリ」CD-R 800円(送料込み)
収録曲:ひまわり / ゴミを捨てる日 / LOVE SONG / ナルヨニナルノサ / ぼくらきんぎょ / カラスウリ / マルチボンバー新規事業(無断回収) / らーめん / ハルモニウムと金の風 / (秋に)影を踏んで(※ogdさん作•編曲演奏)
絶妙なコーラスやギタープレイが作品に華と楽しさを添えて下さるマイケル中原さんとのコラボレーションを頭3曲、繊細緻密なアレンジと歌心に満ちたピアノ演奏、重厚なコーラスが心を揺らすHarada ogd Taroさんとのコラボレーションを終盤2曲に配し、その間にWAJINソロを挟み込んだカラフルな作品集。「ひまわり」では、FJMさんの繊細なドラム生演奏が曲の世界観を引き立てている。
また、マスタリングは、音に対する素晴らしい知識と技術を持たれているnakyamoさんに特にダイナミクスが大きく扱いの難しい3曲で助けていただいた。
アルバムタイトルのとおり、夏から秋にかけて特にお聴きいただきたい作品集。
ー D recordsさんからいただいたレビュー ー
このアルバム「アキカゼ ヒマワリ カラスウリ」は
日常の様々なことを、ある種の達観をもって、そこから受け取った静かなメッセージを、ある時はユーモラスに、
あるときは緊張感をかもしつつ、またあるときは美しい旋律で感動的に表現した絶品の音楽作品といえましょう。
アルバムは全体を通して、漠然とした不安感や緊張,そしてそれらに対するある種の達観、が貫いています。
達観といっても、諦めているというよりは「どうしようもないことはどうしようもないこととして今を一生懸命生きましょう」という
ある種の人生賛歌のようにもきこえます。
先の見えない不安でモヤモヤした日々が続いている、最近の状況に妙にマッチしていて、そういう不安をかかえた
日常に対する受け止め方に、一つの答えを提示しているようです。※サイトをみると2018年の制作らしい
さて、とはいってもそこは音楽作品。
メインはもちろん音楽的なオモシロさと美しさです。
WAJINさんのつくるメロディは、とても変わっていて追っていくだけでも一筋縄ではいかない奇妙さをもっています。
しかし、ただ変わっているというだけではないのがスゴイところで、きちんとポップな要素をいれて聴きづらくならないように
バランスをとっています。
1曲目の「ひまわり」の
顔を出したら 太陽が呼ぶから
の「呼ぶから」の「から」の音ののせ方。
ここでアレ?と思わせておいて、
背伸びをしたら 何かが見えた
の「見えた」できちんとメロディを回収する感じ。
意識的なものかはわかりませんが、ポップさのなんたるかをしっかり認識したうえでの、メロディをひねる感じは、WAJINさんのつくるメロディの
一つの特徴といってもいいかもしれませんね。
奇妙さとポップさの比率を自在に変えて、オリジナリティを作っている感じ。
ただ、今回のアルバムはテーマが少し重めだからか、ポップよりなアプローチでバランスをとっている印象です。
マイケル中原さんのコーラスも楽曲をよりポップにしている印象です。
「ナルヨニナルノサ」はお気に入りです。
なんでしょう、これ。良質なポップソングではあるのですが、歌詞の内容の深いこと。
まるで「禅」とか「仏の教え」みたいなものを大衆に理解できるようにポップソングに変えて歌ったような、ある種神聖な感じすらします。
すこし開き直った感じも演出しているので、高尚になり過ぎず共感しやすい、こういったバランス感覚がとても見事です。
「マルチボンバー」とか「らーめん」などちょっとクスッとさせる作品もいれてるのがシリアスになりすぎずに、アルバムに緩急をつけている感じがします。
「らーめん」から「ハルモニウムと金の風」への流れは、とてもすきです。
「影を踏んで」はアルバムの最後にふさわしい曲。
すごく難しい曲ですが、最後の名残惜しい感じも、いいものを聴いたという余韻に浸れます。
今回のアルバムはどちらかというとシリアスで少し重めな印象ですが、救いのイメージが全体に貫かれているので、聴いて落ち込んでしまうようなことは
もちろんありません(唯一救いがないのは、ふやけてしまったらーめんですが、これはそれ、食べれないことはないので大丈夫です。でも実際にあったら
こころのなかで”あのように”叫んでしまうかもしれませんね(笑)。
個人的には、このアルバムはCDで聴いてほしいです。配信で全曲DLすれば、まあ同じかもしれませんが、テーブルの上に置かれた、しなびたような黒いヒマワリのジャケットの存在感を感じながら、CDを再生するのはある意味でクラシックですがとても贅沢な時間という感じがしました。
お持ちの方もいるかもしれませんが、もし聴いたことがないなら、ぜひCDを手に入れることをお勧めします。
マイケル中原さんのwebサイト
https://michael-nakahara.amebaownd.com/
Harada ogd TaroさんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4Qsu0PTgxGP_ud4GqfA8QA
nakyamoさんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC9bG1tnxYJQeNTmKnfIK3HQ
2020年製作
「ゆるっとね」CD-R 1100円(送料込み)
収録曲:カラカラ / 憂鬱な人へ / 初夏のランドリー / サル / 知ったこっちゃない / 月と田舎と山手線 / 星の降る夜も雨の夜も / Promenade~京都市北区の散歩道~ / ゆるっとね / てっぺん白髪 / 冥土喫茶は花ざかり
誰にでも必ず訪れる死を迎えるまで、些細な日常の明暗も風景も老いも死後の世界への空想も楽しみましょうというコンセプト。
1曲目のカラカラでは、楽しいパーカッションの数々をちびたさんに入れていただいています。
ちびたさんのwebサイト
https://mamotosato.wixsite.com/chibita-records
マイケル中原さんからいただいたレビュー
Sigil*WAJINさん(わじんさん)の2年半ぶりの新しいアルバムが完成した。個人的にも親しくさせて頂いているので、アルバムを発表することは知ってましたが、内容については全く知らされてなかったので、楽しみにしていた作品です。
わじんさんは、ありふれた日々の生活の中で、誰もがふと感じるつぶやきだとか冗談を、上手く作品に昇華させることができるアーティストです。詩については、これまでのそういった等身大の創作の流れを継承していますが、今回は、メロディについても、まるで最初につぶやいたその瞬間瞬間をそのまま音符にしたかのようで、とてもリアリティーを感じます。通常メロディを創作するときは、綺麗な音符の流れだとか、次のコード進行の流れなどを計算したりするものですが、そういった作業も彼女にとっては、装飾や虚構のひとつに過ぎないことなのかもしれません。アレンジについては、音色やフレーズ、音の質感に並々ならぬ試行錯誤と神経の集中の跡を窺うことができます。彼女の楽曲には、アルバムのライナーノーツに記載のとおり、多くの生楽器が使われていますが、生楽器と電子楽器との質感のブレンドは、永遠のテーマでもあり悩ましい問題だったことは想像に難くない。それが自然なアンサンブル、絶妙なマリアージュとなっていて、「ゆるっと」終始心地よかった。いろんなところが引っ掛かる、これまで以上に"らしさ"が色濃く出た楽しいアルバムだと思います。
ちびたさんからいただいたレビュー
Sigil*WAJINさんの「ゆるっとね」を聴いている。
私がパーカッションでちょこっとお手伝いさせていただいた曲「カラカラ」でこのアルバムは始まる。「なぜこの曲で始まるのだろう」なんて考えながら聴き進める。
で、2曲目「憂鬱な人」さっきピーナッツをカラカラしてた人が家から出たくないって駄々こねてるみたいだ。
そしたら次の曲「初夏のランドリー」でいきなり元気いっぱいの声で洗濯物を干し始めちゃった。まあ、天気良い日に家から出ないなら洗濯くらいしたほうがいいよね。でも家から出たくないとか言ってるわりにはご機嫌なテンションで引きこもってるみたいだ。
んで次は・・・サ・・・サル?あれはサルだからまともに相手するのはやめとこうってことなのかな・・・もうオタク思考まっしぐらなドラマが展開されていく・・・これ以上真剣に聴いたら心が病んでしまうんじゃないだろうか・・・とか思っていたら、次の曲は外出してるぞ。
電車に乗ってるみたいだ。その次の曲で解明されるが乗ってるのは東京の電車。てっきり京都の家に閉じこもってると思ってたのに、いつの間にか都内で電車に乗ってるじゃないか。でもやっぱりこの主人公は電車に乗ってても全然やる気がない。ややこしい東京の路線に文句言い出しちゃってるし。イメージ的にはここでA面が終わりなのかな。6曲目の「月と田舎と山手線」で第1幕が終わりって印象。前半を例えて言うならちょっとした心の動きを描いた短編映画って感じかな。
そして後半は「星の降る夜も雨の夜も」で始まる。この曲から見えてくるイメージは前半とは異なる。今まで日中だったのが夜になったせいもあるのかな。
そしてインスト曲「京都市北区の散歩道」だ。さっきまで山手線乗ってたのに、いつのまに京都に帰ったんだ。お、大正琴だ。自分も使ってるのですぐわかる。こういう特殊な楽器で「お?同じだ」なんて感じるのはちょっとうれしくもあるね。夜になったけど次曲でまた太陽が出てる時間帯になるから、その間にインストをはさんだのかな。この変の時間設定に対する配慮もいいよね。
太陽が出てる時間帯って言っても、なんだかちょっと・・・これはラリって見上げてる太陽っていうか・・・そうそうシドバレットのアレだ。
で、突然訪れる衝撃「てっぺん白髪」まず、リズムに対して当てているこの「日本語」のハマり方が見事。そしてこんなおふざけみたいな曲なのに、なぜかこれまで感じていたものとは別種の「シンガーとしての凄み」みたいなものをこの曲から感じた。
そしてそして・・・・そして・・・こんなオチで終わらせてしまう大胆さ。
今回はあえて音楽的なことは控えて「歌詞世界」を中心に書いてみた。そうやって書き進んだのもこの感動のラストが来ることを知っていたからなのだ。この結末について私が語ってしまうと聴いた人の想像を邪魔してしまう気もするので、ここからは本作を聴いたあなたがご自由に想像してみてくださいな。