D recordsさんの「気分が変わっていいね」
表題のアルバムのレビュー、ずっと書きたいなと思いつつ遅くなってしまいました。
砂久ヤタロウさんプロデュースの、Risafro orangeさんのアルバムです。
これほど「I love you」や「スキ」という言葉に溢れたアルバムはそうそうないでしょう。
これでもか!ってぐらい入っています。胸焼けしそうなぐらい入っているのだけど、これが不思議と心地よい。こちらまで幸せな気分になってくるんです。
普通、ここまでどっぷり愛の言葉と幸福感に溢れた歌が詰まっていると、イヤラシく感じたり陳腐に思えたり、上手い男性シンガーさんが甘い声で唄いあげたりするとキザだったりするでしょうし、女性シンガーさんだと男性に媚びた風に聞こえるかも知れません。
ところが、このアルバムは全然そうじゃないのです。
ヤタロウさんの曲やアレンジがユニークさや可愛らしさも交えつつカッコ良くピシッと端正な土台を確保しているのももちろんありますが、Risafroさんの声と唄い方が素晴らしく純粋で、「上手く聴かせたい」とか「カッコ良くキメたい」というような表現における邪念みたいなものが全くないがゆえに、心底信じられるラブソング集になっているのです。この人が「好き」っていうものは、本当に好きなんだなって。
こういう表現は、狙ったり計算したりして出来るものではありません。
プロデュースされているヤタロウさんの中には、”魅力的な音楽として聴かせる計算”はプロデューサーとして当然あるでしょうし(これはあってしかるべき)、それが見事に形になっていると思うのです。Risafroさんの魅力をとっても良くわかっておられるからこそ。表現への理解がなければ、こうも上手くプロデュース出来ないでしょう。
プロデューサーとしてのヤタロウさんの実力をひしひし感じる一枚です。
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