ポンポンさんの「学生のノリ」
ポンポンさんのアルバム(今回は配信じゃなくて盤)を拝聴しての感想。
まず最初に思ったことは、イマドキの聴き方にマッチしたサウンドだなということ。
ちょうど自分のアルバムのマスタリングで四苦八苦している最中に拝聴したので、なるほどなぁと感心することしきり。(自分には到底真似出来ない)
私は気合を入れて音楽を聴く時にはまずスピーカーから音を出して聴くのだけど、最近は車の運転中にカーステで聴く方々を除いてはヘッドホンなりイヤホンで聴く人の方が圧倒的に多いのではなかろうか?特に若い世代はそうではないかと思う。
イマドキのメジャーのサウンドは国内外問わずスピーカーとヘッドホンの両方で聴くと明らかにヘッドホンで聴いた時により良く聞こえるように作ってあるものが多いように思うし、それがあまりにも極端な例もあるけれど、ポンポンさんのサウンドはどちらで聴いてもいい感じの音圧が出るギリギリまでの圧縮感(広がらず真正面に飛んでくる感じの音)で、1曲目の「群れ群れトレイン」を再生した途端に凝縮した熱気感みたいなものが迫ってくる。
楽曲的にはポンポンさんといえば、「蛸の壺」(だったかな)の強烈に凝りまくったユニークな展開の作品に出くわした時の衝撃が忘れ難いのだけど、このアルバムの収録作品たちにもそういう彼ならではなこだわりの展開が随所に見られてほくそ笑んでしまう。らしいなぁと。^^
ポンポンさんの作品って、生活の場面の一部を切り取っただけというより、ショートショート(超短編小説)みたいだなとしばしば思う。だからこその展開なんだろうなと。
どの曲もとても丁寧に作り込まれていて演奏にも歌にもスパイス的SEの入れ方に至るまで隙なし、、という中で、私が特に好きなのは懐かしい洋楽テイストを覚えるメロディラインの「仲直り」、甘塩っぱいような甘苦いような味わいの「ガールフレンド」、アレンジ的には違うけどメロディやノリにラテンを感じる「空からお金が降ってきた」(シャラン♪っていうSEと手拍子が入る部分が楽しい♪歌詞も面白い♪)、kusu kusuさんのマンドリンとコーラスが素敵に色を添えている温かい世界観が美しい「ノー天気」。
アルバムタイトルの「学生のノリ」ってのは、リアル学生からは絶対出てこない言葉であり、実際、正真正銘オトナでなければ作れないアルバム。元気一杯に切なくてほろ苦くて陽だまりを愛しんでいるオトナならではな俯瞰した喜怒哀楽を感じた。
アルバムダイジェスト↓
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