鳥の行動は面白い
これまで、ウズラやニワトリを飼ってきて(一時的には文鳥、スズメなんかも)、今はフクロウを飼っているけれど、鳥の行動は大変興味深くて面白いものです。
人間は哺乳類なので、どうしても同じ哺乳類のほうに親しみを覚えがちだし、そうでない生物に対してはやや見下して(ときにはかなり見下して)しまいがちだけど、なんのなんの、鳥だっていろんなことを考えて生きているし、それが行動に出るので面白いものなんです。
特に面白いなあと思った行動例をいくつかご紹介しましょう。
ウズラのオスとメスを飼っていた頃、二階で飼っていたのですが、メスの方だけ何らかの理由で階下に連れて行こうとしたことがありました。
その時、ケージから出していたオスが慌てて追いかけてきて、階段の上で右往左往。
ウズラは飛ぶのが苦手な鳥です。自分のオンナが連れて行かれて凄く心配なのだけど、階段を飛び降りてまで追っていくのは正直怖い。しばらく文字通り右往左往していましたが、意を決したとみえて一瞬立ち止まった後、バッと翼を広げて飛び降りました。
が、階段の上から2、3段目で早くも引っかかって躓き、ドンゴロンゴロンと転がりながら一階まで落ちていきました。
私はそれを見て、物凄く焦りました。首でも折って死んだりしていないか!?と。「げえげえ?!」と名前を叫ぶと、一階まで転がり落ちたそのオスはスクッと立ち上がって「ケッチョッケー!!」と雄叫び。心底ホッとしたと同時に思わず笑っちゃいましたよ。
捨て身で追いかけるとは、なんとも愛おしく美しいではないですか。
二つ目の話も、そのウズラのつがいの話。
ある時、オスの方がぼうっとカーテンの向こう側に立って窓の外を見ておりました。
すると、メスの方がコソコソコソッと背を屈めて小走りにオスに近ずいて行き、後頭部をカツン!と一発突いて素早くカーテンの陰に隠れるのです。
オスの方は後ろを振り返って「ん?何だ、今のは??」って顔をしますが、また窓の外に気を取られます。
するとまたもやメスが近づいて後ろからカツン!と突いて隠れる。
妻の鬱憤晴らしですな。常日頃、鬱積しているものがあったのでしょう。
三つ目の話は、今飼っているアナホリフクロウのことです。
うちのアナホリフクロウは、私に一番慣れていて、次に慣れているのは小学一年生の娘。(こちらは慣れているというより恐れていないといった方が的確。)中一の息子のことはウルサイし動きが乱暴なので嫌っていて、夫のことはなぜか物凄く恐れている。
私や娘の側では、平静な様子で餌を食べたり羽繕いしたりオモチャで遊んだりするけれど(私の側なら寝たりもする)、息子が近づくと体を膨らませて翼を広げ、嘴をカチカチ鳴らして威嚇する。時には、ギャーーと叫んだりもする。夫が側に行くと逆に身を細めて黙りこくって凝視する。
先日、珍しく夫を威嚇していたけれど、身を細めたまま小さな音で嘴を「カチ・・・。カチ・・・。」と鳴らしていて、なんとも控えめな威嚇。(笑)
その直後に息子が側に寄ると、今度は大いに体を膨らませて「カチ!カチカチッ!カッ!カッ!」と派手な威嚇。
人間の言葉にすれば、夫に対するのは「あの、、。すみません。怖いんです。ちょっと離れていただいてよろしいでしょうか?」で、息子に対するのは「あっち行け!このヤロー!触んじゃねーぞ!!」って感じ。
で、私が側に行くと、可愛く小声で「ピイピイピイ」と鳴いたりする。
この相手に対する態度の使い分けの凄さよ。^^;
このように、鳥ってのは実にいろんなことを考えて状況判断して行動していて、迷いもあれば思い切りもあり、相手によって出方を変えてくるものです。記憶力も優れているので、嫌なことがあった場所には行きたがらないし、されたこと、してもらったことなどよく覚えているので、それが相手への接し方にあからさまに出ます。
音に敏感な分、足音で誰か聞き分けるし、キュウリが好きなウズラはキュウリを刻んでいる音が聞こえると興奮するし、フクロウに関してはおそらく言葉の意味を覚えているのだろうと思われます。うちのフクロウは、「ご飯お食べ。どうぞ。」というと餌入れに向かうし、二階に連れて行くときは大概は日向ぼっこか静かな場所で休ませてもらえるとわかってからは、「上行こうか。」と言いつつリーシュ(繋ぎヒモ)に繋ぐと大人しく繋がせています。
ニワトリやウズラがしなくてフクロウがすることといえば”遊び”でしょうか。
インコやオウムなどもオモチャで遊びますが、フクロウも遊びます。身の回りのいろんなものを狩りの獲物に見立てて遊ぶし、退屈すると飼い主の側に来て、手で遊ぼうとしたり服の裾を引っ張ったりして遊びます。飼い主がネット動画など観ていると側に来て一緒に観たりもします。時には人間以上に真剣に観ていたりもして可愛いものです。
鳥類の中でもとりわけ賢いカラスなんかは人間の幼児並(実際はそれ以上でしょう。)の知能があることが知られていますが、それ以外の鳥類も相当な記憶力と判断力・思考力を持っています。
体は人間からすればとーっても小さいものが多いし、犬や猫と比べても小さいものが多いけれど、小さいからといって馬鹿にできるものではありません。
鳥の目線で寄り添ってみると、実に分析力に優れていて賢い生き物だとわかります。
人間には思い上がりがあるので勝手に相手を見下しているだけで、同じ生き物である以上、性能的に同じようなものか、負けているかも知れません。これは相手が鳥類に限らずですが。
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